今、僕は学校に近くの本屋さんに来ていてお菓子作りの本を選んでいる。 決して答えを出すことから逃げているわけじゃないんだよ。 答えが出たわけじゃないけど、1つだけわかったんだ。 僕はここにいる。どこにも行かないでここにいる。 夢を持たずにキャシーと一緒にアポネに行っても彼女に迷惑をかけるだけだし、 僕自身というものが希薄過ぎて男らしくない。 当分は父の手伝いをして本当にやりたいことを探そうと思うんだ。 キャシーにはまだ「卒業パーティーに一緒に行こう」としか言っていないけど、 卒業パーティーの日にキャシーにちゃんと話そうと思う。 僕の作戦はこうだ。 卒業パーティーの日に早めにキャシーを迎えに行き会場に行く前に、 時間があるからとか適当な理由をつけて、あの公園へと誘う。 そこで僕は自分の気持ちをはっきりとキャシーに告げる。 ここで別れるという結果にはなるが僕は最後のプレゼントを渡す。 そして、最後の思い出にしようよなんて言って卒業パーティーへと向かう。 やはり問題は別れるという結果に落ち込んでしまって卒業パーティーまでたどり着けるかというところ。 なのでプレゼントの役割が重要になる。 僕はそのプレゼントを手作りのホットケーキにしようと思うんだ。 アポネに行っても公園でホットケーキを食べたことを思い出すと同時にこのカパスの町を思い出して欲しいから。 形には残らないけど、今の僕にはそれが一番良いと思うんだよ。 だから僕は本屋でお菓子の本を選んでいる。 |