真夏にプリン

1章「彼女が死んだ」

(2)「集合」


自分の部屋に着く前に2通目のメールがきた。

『スタジオに10時集合です』

次に何をすればよいのか思いつきそうもなかったので、
少しだけ2通目のメールでちょっとだけ安心した。

だが、何を着て行けば良いのだろう?

普段の服で良いのだろうか?
ジーンズとTシャツじゃまずいだろうなぁ。

喪服?
そんなの持っていない。
買った方が良いのだろうか?

彼に聞けば良いのだろうが、
そんなこと聞いて常識がないなんて思われるのも・・・

彼女にとりあえず聞こうと思って電話したが出ない。
いきなり朝起きて「彼女が死んだ」とだけ言って出てったから怒るのも無理ない。

電話に出ないだけで済むのなら良いが、
これが原因で別れる事になんてなったらどうしよう。

思わず不安になり僕は、
『今朝はごめんね、今度会った時に話すよ。ほんとにごめん』と彼女にメールを送った。

なんだかつくづく情けない男だ。

もういいや、服装は黒っぽい綺麗めな感じのものを着ていこう。

そんなのあったっけ?

僕は整理されている状態とはほど遠いクローゼットを開いた。