HOTCAKE ROMANCE

第2章「Memory〜青春の光」


僕はプーランの首都・アポネから南に300q離れたカパスという田舎町のカパス高校に通っている。
18歳なのでもうすぐ卒業、これからの進路を決めなくてはならない。

友人のトミーもジェイソンもマイコーももう進路が決まっている。
この学校で決まっていないのは僕とガールフレンドのキャシーだけだ。

今日は放課後に学校の近くの公園でキャシーと待ち合わせをしている。
なんだか最後のテストや進路相談なんかで最近忙しかったので久しぶりにデートだ。

キャシーは僕と違って何でもできる女の子だ。

歌を歌っても上手いし勉強もできる。
スポーツだって得意だし学校中の人気者だ。

そんなキャシーと去年のダンスパーティーで意気投合して付き合うようになったなんて奇跡としか言いようがない。

もちろんプロポーズは僕から言った。

アルバイトで貰った給料の半分くらいのお金を使って買った花束を渡してプロポーズしたんだ。

ジェイソンにも「キャシーはおまえのどこがいいんだろう?」なんて言われるけども、
奇跡なんだからしょうがないのだ。

僕はぼんやりと久しぶりにデートのことを考えていて全然授業に身が入らなかった。

<早く放課後にならないかなぁ・・・>

ふと辺りを見渡すとトミーと目があった。

トミーは高校を卒業後に父が経営しているレストランで働くことが決まっている。
彼は教科書の上に料理の本を置いて読んでいるようで、
僕にその本をちらりと見せて視線をその本に戻した。

もうあと1,2ヶ月で卒業だなんだなぁ。
僕はこの先どうしたいのだろう?
そして、どうなるんだろう?

父は焦って決めなくてもいいなんて言ってるけど、
僕とキャシー以外はみんな進路が決まっている。

そのこともキャシーと今日はゆっくりと話そうかな。