HOTCAKE ROMANCE

第1章「モーニングコーヒー」


チュンチュンという鳥の声が聞こえて優しい日差しがカーテンの隙間から漏れてくる。

僕の名前はヘンゼル、今年で18歳になる。
僕は長男で3歳下の妹がいる。

僕は起きあがってカーテンを開けた。

小高い丘に僕の家はあって僕はここから眺める景色が大好きだ。

僕は着替えて階段を下りて居間に向かう。

「おはよう、ヘンゼル」
「おはよう、お兄ちゃん」
「おはよう、ヘンゼル」

父と母、妹がもう食卓でトーストとベーコンを食べている。

「おはよう」

僕は椅子に座りトーストをかじる。
この分厚いトーストから僕の朝は始まる。

父が窓の外を見ながら、ぽつりと
「今日は午後から雨が降りそうだな」と言った。

たいてい父の天気予報は当たる。
なので僕はいつも大人になると何でもできものだと思ってしまう。

「2人共、傘を持って学校に行くんだよ」
母はそう言ってコーヒーを運ぶ。