私はミルフィーユ

3章「女は忙しいのだ!」


私は子供を幼稚園に送り出してから帰り道に朝早くからやっているスーパーに寄って、
大急ぎでサーターアンダギーを作っている。

しかしながら上手くできた。
昔から私は何でも無難にこなす方だった。

出来上がったサーターアンダギーを見ていると、
華やかさがないところがなんだか旦那に似ているなぁと思う。

昔は違ったのにな。

私は急いで着替えて鏡の前に立ちバーバリーのフレグランスを多めにつける。
フレグランスを多めにつけるのは好きじゃないが何となく彼に生活臭を感じ取られそうで嫌なのだ。

彼は私が結婚していて子供が2人いるのも知っている。

それでも自分ではわからない生活臭を感じ取られるのが今でも怖い。

私は家の電話を自分の携帯電話に転送できるようにセットして家を出た。

今日は忙しいな。
というか女は忙しいのだ!