私はミルフィーユ

2章「女は演じる!」


地方への出張が多い旦那だが最近は毎日会社勤務だ。
1年に何回かこういう時期がある。

別に新婚でもないので「嬉しい」とかっていう感情はないが、
子供達にはやはり嬉しいことだろう。

私としては「彼」と毎週火曜日に会うことになっているので、
ちょっとやっかいだ。

そして、今日がその火曜日。

昨夜の話の流れでサーターアンダギーも作らなくてはならなくなってしまった。

ときどき思うのだが「演じる」ことに長けている分、
余計なことまでやらなくてはいけなくなるときが多い気がする。

昨夜もそうだ。

思い出してみる。

まず、旦那が仕事でサーターアンダギーを調べなきゃいけないということを聞いたときに、
私は「サーターアンダギー?NHKの朝ドラでやってたやつでしょ。」と言った。

もちろん私はNHKの朝の連ドラなんて観ていないが、
あれを観ていると言った方がちゃんと家にいる主婦らしくて良いだろうと思い言ってみただけだ。

そこまではまぁ良いだろう。その後だ。

「あれって家でも割と簡単に作れるはずだよ、明日作ってみようかなぁ」と私は言った。

料理も上手で好奇心旺盛な妻という役を演じすぎた。
しかも私は言った後に明日が火曜日だと気付いてしまったのだ。

別に旦那がそれを望んでいるわけではないのもわかるのだが、
生活に溶け込んだふりをするあまりに過度に演じすぎてしまう。