真夏にプリン

6章「真夏にプリン」

(3)「真夏にプリン」


僕らは力が抜けてそのまま下に座り込んだ。

『彼女』は起きあがってこない。

「冷蔵庫になにか飲み物入ってるか見てくるよ」
キノシタはゆっくりと立ち上がり冷蔵庫に向かった。

僕は寝っ転がって食べ物もあったら持ってきてくれとキノシタに頼んだ。

今夜も蒸し暑いなぁ・・・・・。

星がたくさん見える。

もし流れ星が見えたら「缶ビールが冷蔵庫に入っていますように」とでもお祈りしようか。

願いが通じたのか、
「あったよ、『彼女』がたくさん買ってきたみたい。
 ビールも食べ物もあったよ」

という声が聞こえて、キノシタが戻ってきた。

僕は起きあがる。

キノシタは僕に何かをゆっくりと投げた。

「何か」は放物線を描いて僕の両手に収まった。

プリンだった。

コンビニとかでよく売ってる3つセットのやつ。

「真夏にプリンかよ!」