6泊7日〜僕の周りで起きたこと

第3回「9月1日(土)〜2日(日)」・・・・・A


9月2日【AM】〜旭川市の病院

この日から水分だけとっても良いことになる(コーヒー・炭酸はダメ)。
ほぼ3日ぶりに飲む水に感動!

することがないので妻に家から持ってきて貰った任天堂Dsで「動物の森」をほぼ1年ぶりにやる。

当たり前だが雑草がたくさん生えているのでひたすら草むしり。
ついでに「ひな」というキャラを作成したりもする。
動物の森では元気に走り回っているんだけど現実は入院生活、ギャップがかなりあるなぁ。

それにしても暇である。

9月2日【PM】〜旭川市の病院

僕が入院している外科の病室は6人部屋で、
隣にはマエダカツジ(仮名)というおじいさんが寝ている。

このマエダさんは何の病気なのかはよくわかんないけど、
一人でトイレに行けないのでナースコールで看護士さんを呼んでトイレに連れて行ってもらう。
よって、夜中でもビーっという音が鳴って看護士が来るので、その度に隣の僕も起きてしまう。

もちろん、そんなの入院しているのでしょうがないし全然構わない。
(何となく落ち着かないけど)

で、そのマエダカツジという名前のおじいさんは略して「マエカツさん」と看護士に呼ばれている。
まぁ、当たり前だがそれも全然構わないというか僕には関係ない話である。

だが、数人の看護士がトイレに連れて行くときに、
「マエカツー」と嫌そうに言っているのを聞いたときは納得いかなかった。
(自分には直接関係ないんだけど)

本人がわかってないにしても呼び捨てに近いような呼び方はないよなぁ・・・

でもって、この日の午後にマエカツさんの息子がマエカツさんのお見舞いに来る。
盗み聞きするわけじゃないけど、隣なので聞こえてきた会話が以下の通り。

息子さん「おやじ、そろそろこの病院も出るからなッ」
マエカツさん「ああーん、退院するのか?」
息子さん「いや、施設に移るんだよ」
マエカツさん「地元の施設か?」
息子さん「いや、隣町んとこだ」
マエカツさん「ああーん、そうかぁ」
息子さん「じゃあ、帰るぞ!」
マエカツさん「ああーん、施設かぁ・・・」

介護とかって難しいのは十分にわかる。
周りに迷惑をかけたくない気持ちもわかる。

万人が納得する答えがないことだってある。
ものすごくせつなくなった。

(つづく)

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